平成29年9月 農政産業観光委員会

山梨県登山の安全の確保に関する条例制定の件

渡 辺 登山の安全ということで、登山条例が制定される運びになったというのは大変いいことだと思います。本会議でもこの件に関してはいろいろな皆さん方が関心が高いなと聞いておりました。他県のこの登山条例と本県の登山条例の特徴というものについて、まず伺いたいと思います。

 

観光資源課長 他県では、既に6県におきまして、こういった登山届の条例が制定されております。具体的に言いますと、これまで昭和41年、今からもう50年ぐらい前になりますけれども、富山県の剱岳、あと群馬県の谷川岳で条例が制定されております。あと、平成26年に岐阜県が北アルプスや御嶽山などについて条例を制定しております。あと、平成27年に新潟県の焼山、これは火山でございますが条例を制定しておりまして、あと、長野県も平成27年に長野県全山につきまして条例を制定しております。あと、今年度でございますが、石川県が白山という、これも火山でございますが、届け出を義務化するような条例を制定しております。

 特徴というお話でございますが、このうち長野県は安全対策と観光振興でございまして、他の5県は遭難防止を主たる目的とした条例としております。本県の条例につきましては、長野県の条例に近いことになりますが、登山の安全に関する知識の普及やみずからの安全はみずからが守るという登山者の意識の高揚などによりまして、安全な登山の実現と山岳観光の振興を図ることを目的としております。

 

渡 辺 御説明いただきました他県6県があるということですけれども、特徴の中にみずからの安全はみずから守るというような思いが強いなという思いがいたしました。この自身の安全を守るという意識の高揚、これが大事だなということはわかりましたけれども、自分が登山届を作成する、そして提出する。どういうことを記載するかよくわからないのですけれども、提出するということがどう安全に結びついていくのか、その辺を伺いたいと思うのですが。

 

観光資源課長 今の委員からの御質問に関してのお話ですが、登山届に記載するという行為がどうして安全登山に結びつくのかというお話でございます。

 まずは登山をしようとする場合、まず山を知らなければ登山届というのは作成はできないので、まず地形や山の情報を詳しく地図等で調べるということが大事になっております。

 次に、自分の体力や経験から、それが適切な山なのかどうかということを考えまして、それが自分に合っているとなれば、自分に合った具体的な行程を作成することとなります。

 さらに、季節に合ったその山での装備を考えなければ、登山届というのはそういったことを書くものでございますので、それは自分でチェックした無理のない要注意地点を考えた上での登山計画を記載することになりまして、安全な登山に結びつくということとなります。

 

渡 辺 いろいろな考え方がされているようですけれども、ぜひ安全登山ができるように取り計らいしていただきたいと思います。もう1つの大きな目的の中に、この登山条例をつくることによって本県の観光の振興を図りつつと。ここが多分、他県とは大分違うのではないかと思うのですが、この辺の意気込みというか取り組みについて伺いたいと思います。

 

観光部長 御案内のとおり本県は世界文化遺産の富士山をはじめまして、四方を3,000メートル級の山々で囲まれておる県でございます。また、その周辺には山歩きですとか散策などに適した低山、登りやすい山や山域が広がっている、本当にさまざまなタイプの登山が楽しめる日本屈指の登山の観光県でございます。

 しかしながら、近年は冬場における遭難事故の件数が年々増加しておりまして、この9月議会に安全登山の確保に関する条例案を上程をさせていただいているところでございます。条例案が制定されますと、山梨県は登山の安全が確保されるように県全体で努力をしていることが県内外または国内外に周知をされます。

 登山者から見た本県への山の安心感が広がることから、より多くの登山者の来訪、または滞在が促進をされると考えております。観光部といたしましては、本県の恵まれた山岳資源を活用して、観光振興を推進するために条例に基づく実効性のある運用を図ってまいりたいと考えております。

安全登山体制整備事業費について

渡 辺 さっきの条例案とセットということで、マル新、安全登山推進事業費が盛られています。まずもうちょっと詳しく知りたいと思うのですが、この協議会の設置ということで、ちょっとまだわかりづらいかなと思うので、詳しい説明をまずお願いしたいと思います。

 

観光資源課長 条例制定の2年後には登山届の義務化が、想定される3つの山岳で始まります。義務化しています先行県におきましては、義務とする以上、登山届を出してもらったものをチェックして返すといったようなことを登山口などで指導監督する体制を整えております。本県では山岳関係団体や関係市町村、県警察などとともに、そうした体制が今現在ありませんので、それをつくっていかねばなりません。その体制づくりをするための協議をするのと、あと、安全登山の普及啓発についても連携できますように義務化に向けてそういった体制を整備していこうというための協議会の設置ということになります。

渡 辺 よくわかりました。あと、その次にある冬期登山実態調査ということですけれども、これは何を把握しようとしているのか、調査の内容について伺いたいと思います。

 

観光資源課長 厳冬期の3つの山岳におきまして2年後には義務化が想定されますが、厳冬期にどの程度の登山者がいて、登山届を実際どのぐらい出しているのかということが、また、登山経験はどのぐらいの方が多いのかというところが現状では山岳関係者などからお話を聞く部分が非常に多い状態でございます。

 そのため、3つの山岳の登山口でサンプル的ではございますが、土日を中心に実際に登山口で登山届を出してきましたかとか、あと、登山経験はどのぐらいありますかということを聞き取りによる調査を実施しまして、あわせてそれが登山者数のカウントということにもなるのですが、2年後の届け出義務化に向けた登山口での指導監督体制のあり方を検討するための資料に活用していく予定でございます。

 

渡 辺 なかなか大変かなと思うんですね。よくそれはちゃんとした体制を整えてしていただきたいと思います。あと、この登山ポストの設置ということですけれども、ポスト以外にやっぱり受付場所が必要であろうかと思うのですが、今後どのようにして皆さんの提出した登山届をちゃんと受け入れられるシステムをつくるのか、その辺について伺いたいと思います。

 

観光資源課長 本条例の施行によりまして、富士山、南アルプス、八ヶ岳を想定しておりますが、そういった山域に立ち寄る登山者につきましては、あらかじめ登山の届け出を知事に出していくということに厳冬期についてはなります。

 登山の届け出の方法としましては、まず一般的な紙の登山届というのがございます。それは今も登山ポストというのはあるにはあるのですが、そこに出されたものは基本的には現在は警察のほうで回収をしております。

 今後は登山ポストに出されたものを今度は知事というか観光部のほうで回収していくことになるのですが、登山の届け出の方法としましては、登山ポストに入れるということ以外に、郵送とか、あと、メールやファックスといった方法、あとスマホを活用した電子申請といったことも方法としてはありまして、そういったものも登山届を出したという形に条例の中ではする予定になっておりますが、そういった種類の登山届の提出をもちまして、基本的には観光部にそういったものを集めていくということになります。

安全登山普及啓発事業費について

渡 辺 条例ができてから施行するまで1年ないし2年ということです。準備期間も含めて、そういう意味では万全の体制を整えるように努力してもらいたいと思います。

 もう1つ、普及啓発事業というのが載っています。大事なところというか、よく徹底しなければならないのは、県外の登山者だと思うのですけれども、このあたりに対してはどのような考え方を持っているのか伺いたいと思います。

 

観光資源課長 確かに条例を制定しますと、基本的には県内の方々には周知をしていくのですが、県外への周知の方法というのが非常に難しいものがあるかと思っております。ホームページやSNSで情報を発信するとともに、チラシやポスターを作成しまして、遭難者が多い東京や神奈川などの大手スポーツ用品店に掲出や配付を依頼するとともに、登山専門誌などへの広告を考えてございます。あと、登山口の最寄り駅、例えば甲府駅だとか大月駅だとか、そういったところや、またサービスエリアなどにポスターを掲示しまして、県外からの登山者に対しまして周知を図っていきたいと考えております。

富士スバルロッジ躯体解体事業費について

渡 辺 よくわかりました。安全登山の推進に向けて御努力をお願いしたいと思います。このロッジに関して。懐かしい建物です、私にとりましてもね。そういう意味ではここで解体されるということですけれども、さっき50年ぐらいたっているという話でしたね。これまでどういうような利用を主にしてきたのか、その辺あたりもちょっと伺いたいなと思うのですが。あと、建てたのはいつごろ?詳しいことを知りたい。

 

観光資源課長 富士スバルロッジにつきましては、富士スバルラインが開通しましたのは昭和39年でございます。なので、50年以上前になるのですが、その翌年になりますが、昭和40年に観光客の無料休憩施設としまして県が設置をしたものです。地上2階建て、地下1階建ての建物でございます。昭和40年から平成9年までなのですが、レストランや売店として民間事業者による営業が行われておりました。それが平成9年までです。現在、平成29年になりますので、約20年間、実はその後は本体内部の活用はされておりませんで、屋上というか展望用になっていた建物でございます。

 

渡 辺 さっき老朽化によって解体というお話を伺いましたけれども、ここで解体する理由というのもなかなかわからないんです。もうちょっと前でもよかったなと思うのですが、今、解体しなければならないという理由についてまず伺いたいと思います。

 

観光資源課長 スバルロッジにつきましては、建設から50年ほどが経過しまして、老朽化が進行しております。富士山が世界遺産になりまして、ICOMOS等からいろいろな御指摘がございました。

 要は、景観阻害の一因となっているのではないかとか。平成27年度には、世界遺産富士山課で策定をしておりますが、富士山4合目・5合目グランドデザインという、あそこの4合目と5合目を今後どのようにしていこうかというところの将来的なビジョンなどをつくっております。そのビジョンによりますと、世界遺産富士山の神聖さを感じながら、ゆったりと富士山の山頂方面を望むことができる空間を5合目につくるということが必要というまとめになっております。5合目というのは小御嶽神社がございまして、ICOMOS等からしますと、あそこは昔からやはり小御嶽神社を置いて、神聖な地であったのではないだろうかということがICOMOS等からも指摘がございまして、そこで神聖さを感じながら富士山を仰ぎ見るということも必要だろうというようなこともございまして、現在老朽化している本施設を解体をするということになっております。

 

渡 辺 今いろいろな説明をしていただきました。私が県会議員になって初めて観光資源課の所管する県の所有物として一番先に聞いたのもスバルロッジだということで、大変印象深いというか、そういう思い出があります。確かに前のほうへいろいろな売店ができたりして、ロケーションは本当に悪くなっちゃってね。やむを得ないかと思うのですけれども、さっき内部解体が終わって、これから躯体の解体ということですけれども、これは当初予算では一緒に盛れなかったの?その辺はどうなんですか。どういう段階でそういうふうになっているのか。よくわからないんだけど。

 

観光資源課長 確かに当初予算で富士スバルロッジの内部解体経費を盛らせていただいてございます。工事の場所が富士山5合目という非常に特殊なところでございまして、スバルライン開通時しか工事ができないということになります。そのため、4月から大体11月ぐらいまでの雪のない時期が工事が可能な時期とまずなります。当初予算のほうに盛らせていただきました内部解体につきましては、4月以降、環境省との協議などを進めまして、今、実はちょうど内部解体をしているところなのですが、登山期間終了後の9月から着工いたしまして、今、天井とか床とか壁材などを撤去しております。11月ごろには完了を見込んでおります。

 ただ、その後、継続して躯体の部分、外側の部分の解体工事をしようとしたとしても、雪が降ってしまいまして、実際の工事は少なくとも4月以降にずれ込んでしまいます。当初予算で躯体工事まで一括で発注をするという手法はなきにしもあらずなのでしょうけれども、一括して発注をしたとしても、12月ぐらいから3月ぐいまでが工事中断期間、工事中止期間となってしまいまして、そのため同一工事としないで、躯体工事については今回の9月補正予算で別工事としております。

 

渡 辺 説明は聞いてわかりましたけれども、気になるのは1点、地下室ね。かなり強

固なものをつくってあると思うんです。これについては解体はしないんだよね。するのですか。その辺をちょっと教えて。

 

観光資源課長 地下室については解体します。

 

渡 辺 もう1つ気になるのは、5合目は観光客が大変多い。そういう時期に仕事もするのかなと思うのですが、廃材とか瓦れきだとか、タイヤの排出も難しいんだと思うんだけど、その辺の手はずはちゃんと万全にしてあるのかな。余計なことを言うようだけど、気になるので伺いたいと思います。特にまた安全管理をしながらしなきゃならんでしょうね。その辺のこの流れについて、最後に伺いたいと思います。

 

観光資源課長 瓦れき等につきましては5合目のところで出たものを観光客に迷惑のかからない時間帯などを考えまして下のほうへ運んでいくということを考えております。その手立ては検討しながらとっていく予定になっています。

 

渡 辺 下のほうへ運んでいくだけじゃ答えになっていない。いつごろどういうふうにして、どこへプールして、最後どこへ行くか、どうするか。そこまでやっぱり県の施設だから、何か問題があったら困るわけだから。詳細な計画があれば、できるだけ答えてもらいたい。

 

観光資源課長 現在、登山シーズンではなくなりましたので、内部解体工事をしておりまして、畳とかは順次下に運んで、廃棄物処理業者のところへ運んでいきます。これから9月補正でこの予算が通りましたら躯体解体の工事をしていくわけなのですけれども、その躯体解体の工事も5合目で出たのを観光客に迷惑がかからないように、場合によっては途中の2合目とかそういったところに1回プールをさせて、迷惑のかからない時間帯にそういったことをして、またその2合目あたりから、また今度は下の廃棄物処理工場に運ぶというようなことを考えております。

 

渡 辺 最後にお願いです。非常に観光客が多いし、道路は1本だし、そういう意味ではお客さんに迷惑のかからないように最善の配慮をして、上がってきたものはみんなの目につかないように。その辺は難しいけれども、ちゃんとした対応をしてください。お願いします。

 

企業立地促進に対する取り組みについて

渡 辺 さっき補正予算で伺ったのですけれども、企業立地についてね。概算50億円の投資でということですよね。雇用も157人ですか発生する。大変ありがたいと思うのですが、このほかに山梨へ進出したい企業の情報とか、そこを伺いたいんですけれども、どうですか、今。

 

企業立地・支援課長 このほかには企業立地基本計画というものがございまして、そちらに手を挙げていただくような企業があります。ただ、今それはいろいろ調整中でございまして、どこどこの企業ということは申し上げられないのですけれども、そちらの助成金というのは3億円以上投資額があるとか、10名以上の雇用が確保できるとか制約がありますので、そういう制約に引っかかるような企業もございます。そういったものは別の計画のほうでそれは不動産取得税が減免になるとか、いろいろなそういった企業にとってのインセンティブになるような支援策がありますので、そちらのほうから進出というようなことで把握している企業はございます。

 

渡 辺 全部の企業が助成金の対象にならないのは承知しているわけですけれども、そうはいっても助成金対象の事業だけでは、これまた偏ってしまうということで、いろいろな業種に対してアプローチは当然していただけるものと思います。一方で10年後リニア開通というようなことがありますから、本県の経済情勢というか産業の構造も大きく変化していくのだろうなという思いがあるわけですけれども、それを見据えての考え方というのはあるんですか。もしあれば伺いたいと思います。いかがですか。

企業立地・支援課長 今申し上げました企業立地基本計画という今までの計画でございますけれども、それによって山梨の機械電子産業がある程度集積されているような状態でございますけれども、こういった、国のほうでもこの企業立地促進法という法律にかわりまして地域未来投資促進法というような新しいスキームでいろいろな産業の、地域の特性を生かした成長性の高い分野に助成する、取り組みを支援するというような、そういった計画も策定しておりまして、そういった面で今まで集積したロボット製造産業とか医療機器関連産業、燃料電池関連産業とか、半導体関連産業、通信用デバイス産業など、こうしたものの集積を活用した成長性の高い分野に挑戦する取り組みを今後支援することとしております。